プロジェクト立ち上げにおける個別システム化計画の作成について説明します。
個別システム化計画に必要な要素についても確認していきましょう。
1-1 情報システム又は組込みシステムの個別システム化計画の作成
概要 (引用)
プロジェクトは定められた目的を実現するために遂行する,開始日と終了日のある,独自性をもった,マネジメントする活動で構成されるプロセスの集合である。組織は,デジタルトランスフォーメーション(DX)などの環境の変化に俊敏に適応し,多様化する顧客の要求事項を満たす能力を高めて,継続して顧客に価値を提供する必要がある。 個別システム化計画においては,組織の価値創出の枠組み,プロジェクトの環境の変化や不確かさに対する組織のリスク許容度を明らかにする必要がある。IT ストラテジスト(ST)がシステム開発プロジェクトの立ち上げの承認を得るために行う個別システム化計画の作成において,プロジェクトの目標,資源の利用,推進体制などの具体的な内容を示して計画の作成を支援する。個別システム化計画には,ビジネスニーズとその経済性などの評価,プロジェクトの作業結果や成果物によって現実化される便益,マイルストーン,予算・コスト,必要な資源,スケジュールなどについて概要レベルで記述する。また,プロジェクトをマネジメントする上での課題,リスク,影響を受けるか影響を与えるステークホルダ,プロジェクトに影響する外的要因を記述する。 プロジェクトの成果物を活用して顧客に価値を提供する作業に関して,プロジェクトから成果物の引渡しを受けてシステムの運用を担当する運用組織,システムの保守を担当する保守組織との協働の形態を決定する。個別システム化計画の作成における ST とプロジェクトマネジメント業務を単独で又はチームの一員として担うメンバーの役割分担は,プロジェクトを立ち上げる組織やプロジェクトの形態によって異なる。
- 引用元
- 情報処理推進機構 「プロジェクトマネージャ試験(レベル4)シラバス- 情報処理技術者試験における知識・技能の細目 Ver.7.1(2023年12月25日掲載)
- https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/nq6ept00000014gb-att/syllabus_pm_ver7_1.pdf
200字要約
プロジェクトは、開始日と終了日を持つ独自のプロセス集合で、組織が環境変化に適応し顧客価値を提供するために行う。ITストラテジスト(ST)はシステム開発プロジェクトの立ち上げを支援し、個別システム化計画を作成する。計画には、プロジェクトの目標、資源、スケジュール、リスク、ステークホルダー、運用・保守組織との協働などが概要レベルで記述され、組織やプロジェクト形態に応じて役割分担が異なる。
プロジェクトとは
特定の目標や成果物を達成するために計画された一連の活動やタスクの集合体です。プロジェクトは通常、時間枠や予算、リソースなどの制約の下で実行されます。また、プロジェクトは一時的な取り組みであり、目標達成後には終了します。プロジェクトは、さまざまな分野や業界で様々な目的のために実施されます。
個別システム化計画とは
個別システム化計画は、特定のシステムやプロセスを改善し、効率化するための計画です。通常、組織内の特定の部門や機能に焦点を当てて行われます。以下は、個別システム化計画の一般的な手順です。個別システム化計画は、組織の特定のニーズや目標に対応するためにカスタマイズされることが一般的です。
個別システム化計画の要素
No | 要素 | 説明 |
---|---|---|
1 | プロジェクト目標 | システム化の目的、スコープ、期限、予算などを明確に定義する。 |
2 | スコープ定義 | プロジェクトの範囲を明確にし、スコープクリープを防止する。 |
3 | 作業分解構造(WBS) | プロジェクトをタスクに分割し、責任者、期限、リソース要件などを明確にする。 |
4 | コスト管理 | 必要な人材、資金、設備などのリソースを適切に割り当てる。 |
5 | スケジュール作成 | タスクをスケジュール化し、進捗を追跡しやすくする。 |
6 | リスク管理 | リスクを特定し、評価し、対策を講じて成功確率を高める。 |
7 | コミュニケーション計画 | 効果的なコミュニケーションを確保する計画を策定する。 |
8 | 監視と制御 | 進捗を監視し、調整してプロジェクトの進行を制御する。 |