2-2 システム開発アプローチの選択
概要
プロジェクトの目標及び要求事項を満たすための成果物の開発計画並びに実装に適応するためのシステム開発アプローチを選択して,これに対応した適切なプロジェクトフェーズの設定及び適切なプロジェクトマネジメントのプロセスの修整ができるようにする。
システム開発アプローチの選択においては,開発対象システムの特徴,予算,スケジュール,作業効率及び品質を考慮し,開発対象システムに適合するシステム開発ライフサイクル,システム開発手法,開発環境,品質保証・構成管理・文書化などの開発標準を決定する。さらに,システムを運用及び保守して顧客に価値を提供するリリース作業に関わるシステム開発プロジェクトの範囲を決める必要がある。その上で,システム開発とリリースのサイクルを設定すること,このサイクルを迅速に繰り返すために,開発・リリースにおける自動化を促進することも必要となる。
- 引用
- 情報処理推進機構 「プロジェクトマネージャ試験(レベル4)シラバス- 情報処理技術者試験における知識・技能の細目 Ver.7.1(2023年12月25日掲載)
- https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/nq6ept00000014gb-att/syllabus_pm_ver7_1.pdf
システム開発のアプローチの種類
システム開発にはさまざまなアプローチがありますが、以下にいくつか代表的なものを挙げます。
1. ウォーターフォールモデル
- 段階的にプロジェクトを進める手法で、要件定義、設計、実装、テスト、納品、保守の順に進行します。
- 各フェーズが完了するまで次のフェーズに進まないため、進行が予測しやすいが、変更に対応しにくい。
2. アジャイル開発
- 小さな機能単位で反復的に開発を進める手法。スクラムやカンバンが有名。
- 変化に柔軟に対応できるが、チームのコミュニケーションが重要。
3. スパイラルモデル
- リスク管理を重視し、計画、リスク分析、開発、評価のサイクルを繰り返す手法。
- プロジェクトのリスクを早期に発見し、対策を講じることができる。
4. V字モデル
- ウォーターフォールモデルの変形で、開発とテストを並行して進める手法。
- 各開発フェーズに対応するテストフェーズがあるため、品質管理がしやすい。
5. プロトタイピングモデル
- 初期段階でプロトタイプ(試作品)を作成し、ユーザーからのフィードバックを基にシステムを改善していく手法。
- ユーザーの要求を具体的に反映しやすいが、開発が長引く可能性がある。
6. ラピッドアプリケーションデベロップメント(RAD)
- 高速開発を目指す手法で、ユーザーの早期フィードバックを取り入れながら進める。
- 開発期間が短縮できるが、大規模なプロジェクトには向かないことがある。
これらのアプローチは、プロジェクトの性質や規模、チームのスキルや経験、クライアントの要件などに応じて適切に選択されます。