2-4 WBSの作成
概要
プロジェクト計画や要求事項に基づき,階層的に分割する手法でプロジェクトの目標を達成するために必要な作業を特定する。ワークブレークダウンストラクチャ(WBS)は,プロジェクトフェーズで実施する作業を,成果物に基づき,管理しやすいより小さな作業に階層的に分割して作成する。
分割したWBSの最下位のレベルに定義される作業であるワークパッケージ(WP)ごとに,作業内容,成果物を設定する。WBS,WP,スコープ規定書をスコープベースラインとする。計画時点で作成する予定の全ての成果物が確定できず,全ての作業をWPにまで分割できない場合は,成果物が確定されてから段階的に詳細なWBSを作成する。プロジェクトの成果物,組織,リスク,コストなどに対して,それぞれ管理する目的に沿って階層構造のブレークダウンストラクチャが作成される。
- 引用
- 情報処理推進機構 「プロジェクトマネージャ試験(レベル4)シラバス- 情報処理技術者試験における知識・技能の細目 Ver.7.1(2023年12月25日掲載)
- https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/nq6ept00000014gb-att/syllabus_pm_ver7_1.pdf
WBS(Work Breakdown Structure)とWP(Work Package)
WBS(Work Breakdown Structure)
WBSは、プロジェクトの全体を管理しやすくするために、作業を階層的に分割した構造です。
- プロジェクト分解の階層構造: プロジェクト全体を複数の段階に分解し、それぞれの段階をさらに細かい作業単位に分けます。
- 可視化: プロジェクトの全体像を視覚的に把握でき、作業の流れや依存関係を明確にします。
- 管理と統制: 各作業単位の進捗を追跡しやすくなり、問題が発生した際に迅速に対応できます。
WP(Work Package)
WPは、WBSで分割された作業単位(ワークパッケージ)のことを指します。
- 詳細な作業定義: WPは具体的な作業内容を詳細に定義し、責任者、期限、必要な資源などを明記します。
- 成果物の明確化: 各WPには具体的な成果物が設定され、それを達成するための基準や評価方法も含まれます。
- 進捗管理: WPごとに進捗状況を管理し、プロジェクト全体の進行を細かくチェックします。
このように、プロジェクト立ち上げから計画段階にかけては、明確な目標設定と詳細な計画立案が重要です。WBSとWPを活用することで、プロジェクトを効率的かつ効果的に進行させることができます。