2-9 活動期間の見積り
概要
プロジェクトの各活動を完了するために必要な時間として,活動期間を見積もる。活動期間は,利用できる資源の量と種類及び活動間の関係,能力,日程計画,学習曲線などの対象の影響を受ける。期間は,時間の制約と資源の利用可能性との間のトレードオフとなる。ベースラインに照らして更新した予測に基づく定期的な再見積りも必要である。
活動期間の見積りは,クリティカルパスを特定したときに再考する必要がある。クリティカルパスによって,プロジェクトの完了期日が要求される完了期日よりも遅れることが明らかになった場合は,クリティカルパス上の活動を部分的に修正することが必要となる。
- 引用
- 情報処理推進機構 「プロジェクトマネージャ試験(レベル4)シラバス- 情報処理技術者試験における知識・技能の細目 Ver.7.1(2023年12月25日掲載)
- https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/nq6ept00000014gb-att/syllabus_pm_ver7_1.pdf
活動期間の見積もり
活動期間の見積もりは、プロジェクト管理において非常に重要です。適切な期間を見積もるためには、次の要素を考慮する必要があります:
1. 資源の量と種類
- 人的資源: プロジェクトに必要なスキルや経験を持った人材の数とその能力を把握する。
- 物的資源: 機材や材料の供給状況、品質、量などを確認し、適切に配置する。
- 予算: 資源の確保に必要なコストと予算の制約を理解する。
2. 活動間の関係
- 依存関係: ある作業が他の作業に依存している場合、その依存関係を考慮してスケジュールを組む。
- 並行作業: どの作業が同時に行えるかを分析し、全体の期間を短縮できるか検討する。
3. 能力
- チームの能力: チーム全体のスキルレベルや経験を評価し、その能力に応じた期間を設定する。
- 技術的要件: プロジェクトに必要な技術の複雑さや、新技術の学習が必要な場合の時間を見積もる。
4. 日程計画
- マイルストーンの設定: 重要な節目を設定し、それに基づいてスケジュールを細かく分割する。
- バッファ時間: リスクや不確実性に対応するために、余裕を持った時間を加える。
5. 学習曲線
- 学習期間の見積もり: 新しい技術やプロセスを学ぶのに必要な時間を考慮する。
- 継続的な改善: 作業が進むにつれて効率が上がる場合、初期の遅れを見積もりに反映させる。
6. 過去のデータ
- 過去のプロジェクトのデータ: 類似のプロジェクトの過去データを参考にして見積もりを行う。
- ベンチマーク: 業界標準や他のプロジェクトのデータを基にした比較を行う。
見積もり手法
- アナログ法: 過去の類似プロジェクトのデータに基づいて見積もる。
- パラメトリック法: 数学モデルを使用して、作業の範囲や規模に基づく見積もりを行う。
- PERT法: 楽観的、悲観的、そして最も可能性の高い見積もりを組み合わせて、より現実的な期間を算出する。
これらの要素を総合的に考慮し、詳細な計画を立てることで、適切な活動期間の見積もりが可能になります。