2. プロジェクトの計画(14/17)~リスクの評価~

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2-14 リスクの評価

概要

今後の処置のために,特定した各リスクの発生確率及びそのリスクが発生した場合にプロジェクトの目標の達成に与える影響を推定する。さらに,予算,スケジュール,主要なステークホルダのリスク許容度などのほかの要因を考慮した評価に従ってリスクへの対応の優先順位を定める。リスクの評価は反復的なプロセスである。

プロジェクトのリスク評価

プロジェクトのリスク評価は、プロジェクト管理において非常に重要なプロセスである。このプロセスでは、特定した各リスクの発生確率と、発生した場合にプロジェクト目標に与える影響を推定する。これにより、リスクがプロジェクトにどれだけの影響を与えるかを定量的、または定性的に評価することが可能になる。

リスク評価は単にリスクの発生確率や影響度を見積もるだけでなく、以下の要素も考慮に入れて行う。

  1. 予算: リスクが発生した場合、それに対処するための追加費用が発生する可能性がある。プロジェクト全体の予算に対する影響を考慮し、リスクが許容範囲内に収まるかを評価する。

  2. スケジュール: リスクがスケジュールに与える影響を評価する。例えば、リスクが発生した場合にプロジェクトの納期が遅れるかどうか、その遅延がプロジェクトの成功にどの程度影響するかを分析する。

  3. リスク許容度: プロジェクトに関わる主要なステークホルダーのリスク許容度も評価に含める。これは、ステークホルダーがどれだけのリスクを許容できるか、またはどれだけのリスクを避けたいと考えているかを理解するために重要である。

これらの要素を総合的に評価した上で、リスク対応の優先順位を定める。例えば、発生確率が高く、影響も大きいリスクは、優先的に対応策を講じるべきである。一方で、発生確率が低く、影響も小さいリスクは、他の重要なリスク対応策が完了した後で対応することが考えられる。

リスク評価は反復的なプロセスであり、プロジェクトの進行状況や外部環境の変化に応じて評価結果が変わる可能性があるため、定期的に見直しと再評価を行う必要がある。これにより、新たなリスクの発生や既存リスクの変化に迅速に対応できる体制を整えることができる。