3-2 ステークホルダのマネジメント
概要
ステークホルダの要求事項,期待,関心事及び意見を理解し,ステークホルダの関心事を特定してそれらに適切に対応し,課題を解決する。ステークホルダの課題を解決できないときには,課題の処理をプロジェクト組織におけるより上層の管理者に嘆願(エスカレーション)するか又は外部の支援を引き出す。
ステークホルダの要求事項を確実にかつ迅速に満たすには,最も影響の大きいステークホルダと積極的にコミュニケーションを取ることが必要である。これによって,優先順位の高い課題を解決して,より多くのステークホルダの高い関与を促すようにマネジメントする。また,関与は人間関係のスキルを活用することによっても高められる。
多様性を理解し,お互いに敬意をもって真摯に向き合い,誠実な態度で対応することで信頼関係を構築し維持することが重要である。ステークホルダの関心事及びステークホルダがプロジェクトに与える影響を詳細に分析して,優先順位を付けたステークホルダのマネジメントの計画を作成する。
- 引用元
- 情報処理推進機構 「プロジェクトマネージャ試験(レベル4)シラバス- 情報処理技術者試験における知識・技能の細目 Ver.7.1(2023年12月25日掲載)
- https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/nq6ept00000014gb-att/syllabus_pm_ver7_1.pdf
200字要約
ステークホルダの要求や関心を理解し、適切に対応することで課題を解決する。解決が難しい場合は、上層管理者や外部支援にエスカレーションする。影響力の大きいステークホルダと積極的にコミュニケーションを取り、優先課題を解決し、関与を高める。信頼関係を構築・維持するためには、多様性を尊重し、誠実に対応することが重要。ステークホルダの影響を分析し、優先順位を付けたマネジメント計画を策定する。
ステークホルダのマネジメント
ステークホルダのマネジメントに必要な要素は以下の通りです。
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ステークホルダの識別
プロジェクトに影響を与える、または影響を受けるすべてのステークホルダを特定します。これには、内部および外部の関係者が含まれます。 -
ステークホルダの分析
各ステークホルダの要求、期待、関心事、影響力を詳細に分析します。この分析に基づいて、ステークホルダごとの優先順位や対応方針を決定します。 -
コミュニケーション計画
ステークホルダと効果的にコミュニケーションを取るための計画を立てます。影響力の大きいステークホルダとは特に積極的に関わり、重要な情報を適時に共有することが重要です。 -
信頼関係の構築
ステークホルダとの信頼関係を築くため、誠実で透明性のある対応を心がけます。多様性を尊重し、敬意を持って接することで、長期的な協力関係を築くことができます。 -
課題解決とエスカレーション
ステークホルダからの課題や懸念を迅速に解決します。解決が難しい場合は、上層管理者にエスカレーションしたり、外部支援を求めたりすることも必要です。 -
ステークホルダの関与促進
ステークホルダの関与を高めるために、彼らの意見やフィードバックを積極的に取り入れます。ステークホルダの関心を引き出し、プロジェクトへの積極的な参加を促します。 -
マネジメント計画の策定と更新
ステークホルダのマネジメント計画を作成し、定期的に見直して更新します。プロジェクトの進捗やステークホルダの状況変化に応じて、計画を柔軟に調整することが重要です。
これらの要素をバランスよく実践することで、ステークホルダの期待に応え、プロジェクトの成功につなげることができます。