概要
一定期間内に投入したコストや資源,成果物の出来高と品質などを評価し,承認済みのスケジュールベースラインに対する現在の進捗の実績を確認する。
スケジュールの差異を監視して適切な処置をとる。
プロジェクトの完了に向けての見通しを立て,遅れが生じている場合,完了期日を予測してメンバーや資源の追加,スケジュールの変更などの対策を立案する。
完了のスケジュール予測は,過去の傾向及び現状の知識に基づいて定期的に作成し,必要に応じて更新する。
システムを頻繁にリリースする場合は,顧客の満足度の評価状況に基づいて,今後開発が必要な要求事項から最終的なリリースまでの時間を判断して,完了のスケジュールを予測する。
対策を基にコストや完了時期を再評価し,必要に応じて上層の管理者の承認を得てスケジュールベースラインを変更する。
- 引用元
- 情報処理推進機構 「プロジェクトマネージャ試験(レベル4)シラバス- 情報処理技術者試験における知識・技能の細目 Ver.7.1(2023年12月25日掲載)
- https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/nq6ept00000014gb-att/syllabus_pm_ver7_1.pdf
200字要約
投入したコストや資源、成果物の出来高・品質を評価し、スケジュールの進捗を確認する。差異があれば対策を講じ、必要に応じてメンバー追加やスケジュール変更を行う。過去の傾向や現状を踏まえ、定期的に完了の見通しを立て、更新する。頻繁なリリース時は顧客満足度を考慮し、最終リリースまでの時間を予測。対策後、コストや完了時期を再評価し、必要なら管理者の承認を得てスケジュールを調整する。
スケジュールの管理について
プロジェクトのスケジュール管理とは、投入したコストや資源、成果物の進捗と品質を評価し、承認済みのスケジュールベースラインと比較して現在の状況を確認するプロセスです。具体的には、以下のような手順で進めます。
1. 進捗状況の確認と評価
- 一定期間内に投入したコストや資源、出来高(進捗)と品質を評価する。
- これをもとに、現在の進捗が計画(スケジュールベースライン)とどの程度一致しているか確認する。
2. スケジュールの差異の監視と対策
- 実績と計画との差異(遅れや進み具合)を継続的に監視する。
- 差異が発生した場合、適切な対策を講じる(リソースの追加、作業の優先度変更など)。
3. プロジェクト完了の見通しと遅延対策
- 現状の進捗をもとに、プロジェクト完了のスケジュールを予測する。
- 遅延が発生している場合、完了期日を予測し、メンバーや資源の追加、スケジュール変更などの対策を検討する。
4. 定期的なスケジュール予測の更新
- 過去の傾向や現状を考慮し、定期的にスケジュール予測を作成・更新する。
- 必要に応じて計画を調整し、プロジェクトの進行を最適化する。
5. 頻繁なリリースがある場合のスケジュール管理
- システムを頻繁にリリースする場合は、顧客満足度の評価を基に、今後必要な開発作業と最終リリースまでの期間を判断する。
- これに基づいて、スケジュールを適切に調整し、計画通りにリリースを進める。
6. スケジュールベースラインの変更
- 対策を基に、コストや完了時期を再評価する。
- 必要に応じて上層管理者の承認を得て、スケジュールベースラインを変更する。
このように、スケジュール管理は単なる進捗確認ではなく、計画との差異を分析し、適切な対応を取りながらプロジェクトを成功に導く重要なプロセスです。
スケジュール管理に用いられる手法
プロジェクトのスケジュール管理には、さまざまな手法が用いられます。代表的なものを以下に紹介します。
1. ガントチャート(Gantt Chart)
- 作業のスケジュールを視覚的に表現する棒グラフ。
- タスクの開始日・終了日・進捗状況を管理しやすい。
- Microsoft Project、Excel、Trello などのツールで作成可能。
2. クリティカルパス法(Critical Path Method: CPM)
- プロジェクトの最長経路(クリティカルパス)を特定し、全体の所要時間を把握する手法。
- クリティカルパス上のタスクが遅延すると、プロジェクト全体の遅れにつながる。
- 余裕(フロート)のあるタスクとないタスクを明確にできる。
3. PERT(Program Evaluation and Review Technique)
- 各作業の最短時間・最長時間・標準時間を見積もり、完了時期を確率的に予測する手法。
- 不確実性が高いプロジェクトで有効(研究開発、ITプロジェクトなど)。
4. アジャイル(Agile)・スクラム(Scrum)
- 短期間(スプリント)で計画・開発・リリースを繰り返し、適応的にスケジュールを調整する。
- 進捗確認には「バーンダウンチャート」や「カンバン(Kanban)」を活用。
- 変化に強い開発手法で、ソフトウェア開発などに多く採用される。
5. イテレーション(反復開発)
- アジャイルと似た手法で、段階的にシステムや製品を開発し、評価を繰り返す。
- 各イテレーション(反復)ごとに計画を更新しながら進める。
6. アーンド・バリュー・マネジメント(EVM: Earned Value Management)
- 進捗(出来高)をコストやスケジュールと比較して評価する手法。
- 計画値(PV)、出来高(EV)、実コスト(AC)をもとに進捗を測定し、遅延やコスト超過を判断。
7. マイルストーン管理
- 重要なポイント(マイルストーン)を設定し、それを基準に進捗を評価する。
- 例: 要件定義完了、設計完了、テスト開始、リリースなどの節目を設定。
8. CCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)
- リソースの制約を考慮しながらスケジュールを管理する手法。
- クリティカルパスに加えて、リソースの最適化を図ることで効率的な進行を目指す。
9. ファストトラッキング(Fast Tracking) & クラッシング(Crashing)
- ファストトラッキング: 本来は順番に行うタスクを並行して進めることで、工期を短縮する。
- クラッシング: 追加のリソースを投入して、スケジュールを短縮する手法。
これらの手法を組み合わせながら、プロジェクトの特性や環境に応じたスケジュール管理を行うことが重要です。