4-7 コストの管理
概要
一定期間内に投入したコストをコストベースラインとの対比で大局的に,また活動別に詳細に分析する。
コストの実績と活動の進捗,活動の予測完了期日,スコープ変更などから完了期日に見込まれるコストを予測し,適切な予防処置又は是正処置を実施する。
プロジェクト作業の開始後は,実コスト及び完成時見積コストなどのパフォーマンスデータとコストベースラインの差異の要因を分析する。
差異は外的要因から起きることもあるが,原因にかかわらず,是正処置はコストベースラインの変更又は短期復旧計画の作成のいずれかである。
コストベースラインとの大きな差異が予想される場合,問題を把握し上層の管理者やステークホルダと協議して,必要に応じて予備費を使用するなど,予算を変更する。
コストベースラインの全ての変更は,変更の管理に従ってマネジメントする。
変更が頻発し,予算の制約が厳しい場合には,スコープ及びスケジュールの変更は予算の制約内に収めるように,定められた手順に従って頻繁に調整する必要がある。
- 引用元
- 情報処理推進機構 「プロジェクトマネージャ試験(レベル4)シラバス- 情報処理技術者試験における知識・技能の細目 Ver.7.1(2023年12月25日掲載)
- https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/nq6ept00000014gb-att/syllabus_pm_ver7_1.pdf
200字要約
投入コストをコストベースラインと比較し、全体および活動別に分析する。実績や進捗、スコープ変更を考慮し、完了時のコストを予測して適切な対策を講じる。差異の要因を分析し、是正処置としてベースライン変更や短期復旧計画を実施。大きな差異が予想される場合は管理者と協議し、予備費の使用や予算変更を検討する。全ての変更は管理手順に従い、制約が厳しい場合はスコープやスケジュールを調整し、予算内で対応する。
プロジェクトのコスト管理とは
プロジェクトのコスト管理は、投入したコストを適切に監視・分析し、コストベースライン(承認された予算計画)とのズレを把握しながら、必要に応じて調整を行うプロセスです。以下の手順で進めます。
1. コストの投入状況と分析
- 一定期間内に投入したコストを、コストベースラインと比較しながら、大局的かつ詳細に分析する。
- 活動ごとのコストを把握し、どの部分で予算超過や節約が発生しているかを特定する。
2. 完了時のコスト予測と対応策
- コストの実績・進捗状況・活動の完了期日・スコープ変更などを考慮し、プロジェクト完了時のコストを予測する。
- 予算超過やコスト不足が見込まれる場合、適切な予防処置(事前対策)または是正処置(問題発生後の対策)を実施する。
3. 実コストとパフォーマンスの分析
- プロジェクト開始後、実コスト(AC: Actual Cost)や完成時見積コスト(EAC: Estimate at Completion)を定期的に確認する。
- コストベースラインとの差異を分析し、原因を特定する(予算超過が発生した要因は何か?リソース不足か?価格変動か?)。
4. 差異の要因と対策
- コストのズレは、内的要因(計画ミス、リソース配分の誤り)だけでなく、外的要因(市場価格の変動、サプライチェーンの遅延)からも発生する。
- いずれにせよ、対応策は以下のいずれか:
- コストベースラインの変更(大幅な計画変更が必要な場合)。
- 短期復旧計画の作成(一時的な対応策でプロジェクトを元に戻す場合)。
5. 予備費の活用と予算変更
- コストベースラインとの大きな差異が予想される場合、上層管理者やステークホルダーと協議し、予備費(Contingency Reserve)の活用や予算変更を検討する。
- 予算の変更は、適切な変更管理プロセスに従い、計画的に実施する必要がある。
6. 頻繁な変更への対応
- 変更が頻発し、予算の制約が厳しい場合は、スコープやスケジュールを予算内に収めるよう頻繁に調整する。
- これには、定められた変更管理手順に従い、計画の柔軟性を維持しながら進めることが重要。
プロジェクトのコスト管理は、計画(コストベースライン)と実績のズレを監視し、必要な対応を適宜行うことが鍵です。特に、完了時のコスト予測を定期的に更新し、差異が発生した場合の適切な対応を取ることが成功のポイントとなります。
費用管理
プロジェクトの費用管理は、プロジェクトの予算を立て、その予算内での費用の追跡、監視、および制御を行うプロセスです。効果的な費用管理は、プロジェクトの成功に不可欠です。以下は、プロジェクトの費用管理に関連する一般的な手順です。
1. 予算の策定
- プロジェクトの目標とスコープを考慮し、プロジェクトの費用予算を策定します。予算は、プロジェクトの全体的な費用をカバーし、プロジェクトの目標を達成するためのリソースを提供する必要があります。
2. 費用の見積もり
- 各活動やタスクにかかる見積もりを行います。これには、作業量、リソースの必要性、時間、材料、外部のサービスなどを考慮します。
3. 費用の追跡と監視
- プロジェクトが進行するにつれて、実際の費用を定期的に追跡し、予算と比較します。これにより、予算超過や予算未満の状況を把握し、問題が発生した場合に早期に対処できるようにします。
4. 変更管理
- プロジェクトのスコープや要件が変更された場合、それが予算にどのような影響を与えるかを評価し、必要に応じて予算を調整します。これには、追加の費用の承認や予算の再配分が含まれる場合があります。
5. 費用の制御
- 費用が予算を超えないように、プロジェクトのコストを制御します。必要な場合には、プロジェクトのスコープやリソースの調整を行い、予算内でプロジェクトを完了するようにします。
6. 報告とコミュニケーション
- 費用に関する情報を関係者に定期的に報告し、進捗状況や費用の予測を共有します。これにより、プロジェクトの関係者が費用の状況を把握し、必要な対策を実施できるようになります。
これらの手順を遵守することで、プロジェクトの費用管理を効果的に行い、プロジェクトの成功を確保することができます。