4-9 品質管理の遂行
概要
一定期間内における品質保証の遂行状況から,確定したプロジェクトの目標,プロジェクトの品質要求事項及び規格を満たすかどうかを明らかにし,未達成の場合に原因及び是正するための方法を特定する。
このプロセスは,プロジェクトライフサイクル全体を通して実施する。
具体的には,成果物及びプロセスの品質を満たすことを監視し,確定済みのツール,手順及び技法を用いて欠陥を発見する。
発見した欠陥について考えられる原因を分析し,予防処置及び変更要求を決定する。
品質管理によって,プロセスのパフォーマンス又は製品品質が不十分である原因が特定されることがあり,パフォーマンスの不適合を改善する必要があるときには,是正処置又は変更要求を行う。
また,適切なプロジェクト組織のメンバーに是正処置及び変更要求を伝達する。
継続して価値を創出するためには,品質のプロセスのパフォーマンスも継続的に向上させる必要がある。
この場合には,プロセスのパフォーマンスを,顧客満足度などの価値を表す尺度に基づき定期的に測定して改善状況を評価する。
- 引用元
- 情報処理推進機構 「プロジェクトマネージャ試験(レベル4)シラバス- 情報処理技術者試験における知識・技能の細目 Ver.7.1(2023年12月25日掲載)
- https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/nq6ept00000014gb-att/syllabus_pm_ver7_1.pdf
200字要約
品質保証の遂行状況を確認し、プロジェクトの目標や品質要求を満たしているか評価する。未達成の場合は原因を分析し、是正処置や変更要求を決定・伝達する。このプロセスはライフサイクル全体で実施し、成果物やプロセスの品質を監視・改善する。パフォーマンスを顧客満足度などの尺度で測定し、継続的な品質向上を図る。品質管理により欠陥を特定し、必要な対策を講じることで、プロジェクトの価値を高める。
プロジェクトの品質管理の遂行について
プロジェクトの品質管理は、品質保証の遂行状況を確認し、プロジェクトの目標や品質要求事項を満たしているかどうかを明らかにする重要なプロセスです。このプロセスはプロジェクトライフサイクル全体を通じて継続的に実施され、品質の維持・向上を目的とします。
1. 品質管理の目的
- 品質要求事項の達成
プロジェクトの目標や規格に適合しているかを評価し、必要に応じて改善策を講じる。 - 欠陥の発見と是正
成果物やプロセスの品質を監視し、確定済みのツール・手順・技法を用いて問題を特定する。 - プロセスの継続的改善
品質の向上を図るため、プロセスのパフォーマンスを定期的に測定・評価し、改善策を実施する。
2. 品質管理のプロセス
- 監視と測定
- プロジェクトの成果物およびプロセスの品質を定期的に評価する。
- 事前に定められた基準やツールを用いて欠陥や問題点を特定する。
- 原因分析と改善策の決定
- 発見された欠陥に対し、原因を分析する。
- 必要に応じて予防処置や変更要求を決定し、品質の向上を図る。
- 是正処置と変更要求
- プロセスのパフォーマンスや成果物の品質が基準を満たさない場合、是正処置を実施する。
- 変更が必要な場合は、関係者に変更要求を伝達し、適切な対応を行う。
- 継続的なプロセス改善
- プロセスのパフォーマンスを、顧客満足度などの尺度を用いて定期的に測定する。
- 改善の進捗を評価し、品質向上のための施策を実施する。
3. 品質管理の重要性
品質管理を適切に遂行することで、以下のメリットを得ることができます。
- 顧客満足度の向上:品質の高い成果物を提供し、期待に応える。
- コスト削減:欠陥の早期発見・修正により、手戻りや追加コストを防ぐ。
- プロジェクトの信頼性向上:関係者に対し、高品質なプロセスと成果物を保証する。
まとめ
プロジェクトの品質管理は、単なるチェックではなく、継続的な監視・分析・改善のプロセスです。成果物の品質確保だけでなく、プロセス自体のパフォーマンス向上を目指し、プロジェクトの成功に貢献することが求められます。