3. システム監査の報告(5/7)~監査報告会の開催~

システム監査技術者

3-5 監査報告会の開催

概要

トップマネジメントや監査対象部門,改善実施部門に改善提案の重要性や緊急性を認識させ,かつ,その内容を正しく理解させるために,関係者を集めて監査報告会を開催する。監査報告会では,改善作業のスケジュール及び担当者などを決定して,関係者の合意を得るようにする。

【システム監査における監査報告会の開催について】

システム監査の結果を単に文書で提出するだけではなく、トップマネジメントや関係部門に改善提案の重要性・緊急性をしっかり認識させ、正しく理解させるために、監査報告会を開催します。
監査報告会は、監査結果を「共有・理解・合意」するための非常に重要な場です。

1. 【監査報告会の目的】

  • 改善提案の重要性・緊急性を関係者に認識させる

    • 特にトップマネジメントに対して、改善提案がなぜ必要で、どれほど急を要するかを明確に伝える。
  • 改善提案の内容を正しく理解させる

    • 誤解や曖昧な理解を防ぎ、関係者全員が同じ認識を持つ。
  • 改善作業の具体的な進め方を決定する

    • 改善のスケジュール(いつまでにやるか)、担当者(誰がやるか)をその場で決める。
  • 関係者間の合意を形成する

    • 監査結果や改善計画について、全関係者が納得し、今後の行動に責任を持つ状態をつくる。

2. 【監査報告会で行うべき主な内容】

  • 監査結果の概要説明

    • 総合評価、指摘事項、改善提案の内容を簡潔にわかりやすく説明します。
  • 改善提案の詳細説明

    • それぞれの改善提案について、「なぜ必要か」「放置した場合のリスク」などを具体的に示します。
  • 改善作業計画の策定

    • 具体的に、
    • 誰が(担当者)
    • いつまでに(期限)
    • どのように(作業内容・手順)
      を決定します。
  • 関係者の合意取得

    • まとめとして、改善計画に関して参加者全員の了解・同意を得ます。
      必要に応じて、議事録を作成し、合意事項を正式に文書化します。

3. 【監査報告会開催時のポイント】

  • 分かりやすい資料を使う

    • 監査報告書をそのまま読むのではなく、要点を絞ったスライドや図表などを活用して説明する。
  • 双方向のコミュニケーションを意識する

    • 一方的な説明にならないよう、適宜質疑応答や意見交換の時間を設ける。
  • 改善実施の障害や懸念点にも耳を傾ける

    • 現場からの課題やリスクにも配慮し、実効性のある改善計画にする。

【まとめ】

  • 監査報告会は、関係者に改善提案の重要性・緊急性を理解させ、改善作業のスケジュールと担当者を決め、合意を得る場。
  • 監査結果の共有、改善計画の具体化、合意形成を意識して進める。
  • 双方向型でわかりやすく説明し、実行可能な改善を目指す。